私は大学時代、自転車のロードレースに熱中し多くの試合に出場しました。ロードレースというのは細いタイヤの専用の自転車で50kmから200kmの長距離で順位を競うレースです。ツール・ド・フランスなどが代表的なロードレースです。
競技用の自転車の場合、空気抵抗を避けるため前にかがんだような前傾姿勢が一般的です。見るからに腰を曲げ腰痛が発生しそうな感じです。でも腰痛が起きるかどうかは腰回りの柔軟性によって決まってきます。腰痛が起きない選手というのは柔軟性があり腰をいうならば、へその下くらいから前に倒すことができるのです。一方腰回りの硬い人は腰が立ったままで、胸の下、横隔膜のあたりから状態を前傾させるようなイメージです。不幸にも私の場合は後者のタイプでした。
私はそのころハードトレーニングに取り組み毎日練習で100km以上の距離をこなしていました。自転車に乗ることこそが速く走るための方法、レースで勝つ手段だと考えていました。そして練習の成果も出てきて、ときどき私たちのチームで最強の選手、彼は高校から競技経験があり国体にも出たことがあるのですが、その彼にも勝つようになってきました。でも私は試合になると力を発揮することができません。後半になると疲れてスピードが落ちてしまうのです。その頃の私のあだ名は「練習キング」でした。
後半になってスタミナがなくなる理由を私は走り込みが足りないことによっておこるスタミナ不足だと思って練習量をさらに増やしました。でも私は練習ではいい走りをするが本番に弱い練習キングのままでした。
よくよく考えると後半にスピードが落ちる原因は腰が疲れて、それが全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼしているからだと気づきました。腰痛までは行きませんでしたが、疲労から腰の感覚がなくなってくるのです。腰の疲労の原因は私の体の柔軟性の無さでした。強い選手を観察するとみんな体がそれなりに柔らかいのです。乗車フォームも体が腰からきれいに前傾し、背中は比較的一直線を保っています。一方、私の場合は上体が腰から曲がらず背中は猫背気味です。
このことに気づいたのは大学も卒業前のことでした。コーチなどがいれば教えてくれたのでしょうが、同好会的なクラブだったのでそういったアドバイスはありませんでした。
私はストレッチはやっていましたがそこまで重要だと考えていませんでした。どちらかというと練習でかたまった筋肉を伸ばすくらいの感覚でした。今から思えばもっと積極的に、特に股関節・腰回りを柔らかくするストレッチを積極的に行っておけばよかったと思います。